1月9日、岩手県行政書士会主催の業務研修会が開かれました。
講師は岩手弁護士会所属の村上力氏でした。とても参考になるお話でしたのでレジュメをもとに一問一答形式でまとめてみました。
Q1 相続人の中に認知症の疑いがある人がいます。遺産分割協議はできますか?
A 原則として、その方に「意思能力」があるかどうかが重要です。
遺産分割協議には、内容や結果を理解し判断できる意思能力が必要です。
認知症の疑いがあり、意思能力がないと判断された場合、その方が参加した遺産分割協議は無効になる可能性があります。
Q2 病院で診断を受けていなければ、問題ないのでしょうか?
A 診断を受けていなくても、後から無効とされることがあります。
医師の診断がなくても、
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診断書
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看護記録
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介護施設の介護記録
などから、当時すでに判断能力が低下していたと認定される場合があります。
「診断を受けていない=安全」とは言えません。
Q3 公正証書で遺産分割協議書を作れば安心ですか?
A 必ずしも安心とは言い切れません。
公正証書で作成しても、
作成当時に本人の判断能力が著しく低下していたことが後から証明されると、
公正証書自体の有効性が争われる可能性があります。
形式よりも、実質的な判断能力の有無が重要です。
Q4 認知症の相続人がいる場合、どうすればよいですか?
A 成年後見制度の利用を検討します。
家庭裁判所で成年後見人が選任されると、
後見人が本人に代わって遺産分割協議に参加できます。
これにより、法的に有効な遺産分割協議が可能になります。
Q5 相続人に未成年者がいます。親が代わりに協議できますか?
A 原則は可能ですが、例外があります。
未成年者は行為能力がないため、
通常は親権者が法定代理人として遺産分割協議に参加します。
Q6 親権者自身も相続人の場合はどうなりますか?
A 利益相反となり、そのままでは協議できません。
親権者も相続人である場合、
「自分に有利で、子に不利な協議内容になるおそれ」があります。
このようなケースでは、民法の規定により特別代理人の選任が必要です。
Q7 特別代理人とはどのような人ですか?
A 未成年者の利益を守るために選ばれる代理人です。
特別代理人は家庭裁判所が選任し、
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祖父母
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叔父・叔母
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弁護士・司法書士などの専門家
が選ばれることがあります。
申立先は、未成年者の住所地を管轄する家庭裁判所です。
Q8 遺言があり、後見人や未成年者の相続分が少ない場合はどうなりますか?
A 遺留分が侵害されていれば、請求できる可能性があります。
遺言は法定相続分に優先しますが、
民法では最低限保障される遺留分が定められています。
成年後見人がいる場合には、
被後見人の利益を守るため、
遺留分侵害額請求を行うべきか検討する必要があります。
Q9 これらの問題を知らずに協議を進めるとどうなりますか?
A 後から協議が無効となり、やり直しになる可能性があります。
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といった事態につながることも少なくありません。
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