法務局に自筆証書遺言書(この記事では「遺言書」といいます。)を保管していて、その後変更したい(軽微にあらず)とお気持ちが変わることはあります。
遺言書を保管するときは遺言書保管法(以下「保管法」というい。)という法律が根拠となります。保管する遺言書を変更、撤回する手続きは保管法に基づいて行います。
その手続きに関してはどのような書類を準備するか、また新たな遺言書を保管する場合の申請書類はどんなものがあるか順次ご説明します。
●まずは保管している遺言書を返してもらう
法務局にご本人が出向いて手続きを進めます。
保管法8条には申請の撤回に関して規定しています。保管している自筆証書遺言書を返却してもらうこと、すなわち撤回書という書類に記入します。保管の申請の撤回は遺言者の生存中に遺言者のみ行うことができ代理人には認められていません。準備する書類は、
・本籍地の入った住民票
・本人を証明するマイナンバーカードや運転免許証など
・印鑑
これらの書類を添えて撤回の申請を行います。なお撤回に伴う費用はかかりません。
● 保管する法務局の対応
撤回書を提出したのち法務側局の対応はどうされるか条文にはこう規定されています。
遺言書保管官は、遅滞なく、保管している遺言書を返還します。
一方で法務局はこれまで管理していた遺言書にかかる情報を消去しなければならない、と規定されています。すなわち保管していた書類、情報は一切なくなることになります。
● 再度の保管申請を行う
撤回書の申請を行ったのち遺言者は遺言書を見直し、再度、保管の申請を行うことができます。
保管の申請については保管法4条に詳しく規定されています。
保管の申請書に氏名、生年月日等を記載し、住民票等を添付して提出します。