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印鑑と法人登記


台風19号がいよいよ進路が明らかになって来ました。週末に予定していた旅行は中止し、ホテルと飛行機のキャンセルを急遽行いました。自然の猛威には勝てません。

 

「オンライン法人登記 印鑑も活用」(朝日新聞10月9日付け)に注目しました。内容を要約すると、

スキャナーで印鑑を読み取る

・法務省はオンラインで登記所に届け出できるよう調整

・廃止は「はんこ業者が潰れる」とする印鑑業界に譲歩

 

事の発端は、法人登記の際に義務づけされている印鑑の届け出を廃止する動きをめぐって起きた問題です。私たち個人が印鑑登録する場合、市役所の窓口に登録しようとする印を持参し手続きを行います。法人の場合は登記所へ印鑑を持参又は郵送をすることが義務づけられています。その根拠法は商業登記法20条です。

 

政府は成長戦略の一環として印鑑の提出なしでも手続きするよう方針を打ち出したものの印鑑業者が反発した経緯があります。このため印鑑届け出をスキャンしてオンラインで届け出できるように改めることとしたものです。印鑑の届出を廃止することは画期的なことですが、印鑑は日本の文化そのものとして「日本の印章制度・文化を守る議員連盟」も結成され業界の後押しもされたようです。

 

まだまだ署名だけでは完結しませんので、印鑑があってははじめて文書、契約書、届出書などは真正あるものとして認証されるところがあり、今後も直ちに減少することはないと思います。ただIT化、簡素化、合理化など時代の要請もありますので、印鑑の必要性についてはいろいろな場面で見直しがなされることを期待したいと思います。