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まちの法律家


題名の呼び名は行政書士を紹介するパンフレットやホームページなどで時々見かける呼称でありますが、これまで違和感なく受入れてきました。農地法の学習を進めている中で教材としている「農地法読本」の著者はこの呼称について異論を唱えておりましたので紹介します。

 

この本は日行連が発行する月刊誌の欄でもでも宣伝されていますが、農地法の実務に携わる人的要素のなかに一項設け行政書士について記述されています。著者は「まちの法律家」の呼称は不適切なものと考え、「まちの」という修飾語は、単なる形容詞にすぎないのか否かが不明だからとしています。続けて、国民が共通に理解している意味での法律家を指すとしたら大きな違和感ないし抵抗感があると述べ、法律家とは、裁判官、検察官、弁護士などの法曹を意味する狭い言葉として認識されているから、と理由を記述しています。

 

この呼称についてはあまり狭く解釈しなくともいいのではないでしょうか。法律家という言葉は確かに弁護士などを直接的には指すのかもしれませんが、あえて「まちの」という言葉を入れたのは広い意味で、市井の市民からの依頼を受け書類を作成、相談に乗ることから呼称として使われているのだと思います。書類の作成と言っても、その裏付けとなる法律の解釈をしたり条文を照らし合わせながら官公庁へ提出するのですから立派な法律家であると思います。もちろん出発点の「代書人」でも問題ありません。近年、非弁事務や業際問題という言葉で行政書士の本来持つ業務を超え法に基づかない業務を行い問題となっている行政書士もいらっしゃると伺っています。それは違法のそしりを免れないと思います。

 

呼称についてはあまり大きな問題ではないような気がします。ただ「まちの法律家」・・・そうなるためにはもっと勉強し知識を深めなければならないということですね。